例会・研究会ダイジェスト 【講演】
i-Toyama.com〜その戦略〜富山地域のITプラットホーム創出
富山テレビ放送株式会社 営業局営業部 飯野宏之氏

「eさろん」では第1回目の講演として、富山テレビ放送(株)と(株)シー・エー・ピーで共同運営している「i-Toyama.com」を紹介しました。1月25日の立ち上げ以来、3月中旬までに400万アクセスという実績をあげ、富山のビジネスプラットフォームとして、元気な地域ポータルとして成長しているところです。

●富山をベースに、インターネット・携帯端末のパワフルな情報空間を創出

富山テレビではデジタル時代への対応して、地域の総合情報メディアになりたいという願いから、シー・エー・ピーと共同で「i-Toyama.com」を立ち上げました。「インターネットには興味がある。でも、ホームページを作るにはお金がかかるし、開設しても見に来てもらえない」「インターネットで全国の情報は検索できても、富山県の身近な情報が手に入りにくい」---こういった声を受け、iモードの爆発的な普及を追い風に、インターネットと携帯端末を使って、新しい情報空間「i-Toyama.com」を創造しました。3月からはセルラーのEZWebユーザーにも見ていただけるようになっています。

今年の12月には放送衛星が上がり、デジタルテレビさえあれば無料で何チャンネルものBSデジタル放送が見られるようになります。2006年にはローカルの地上波も全てがデジタルになります。富山テレビは電波媒体であることともに、地域に密着した総合情報メディアとして発展したいと考え、富山の地域ポータルとして「i-Toyama.com」を立ち上げたのです。

●入口はテレビで告知、詳しくはネット上で

地域に根ざした情報量では、タウン誌のシー・エー・ピーさんはどこにも負けません。
この情報をベースに「i-Toyama.com」を立ち上げ、それに富山テレビの媒体力でCMを積極的に打つことで、予想以上に皆さんに認知していただきました。1月17日から31日までは102万8000アクセス、2月は191万6000アクセス、3月は147万5000アクセスを記録しています。パソコンからは約8割、iモードが2割、EZWebは今のところカウントできていません。入口はマスで告知し、詳しくはネット上で見ていただくというやり方です。

「i-Toyama.com」はパソコンでは画面で、携帯では文字情報が見られます。携帯電話からは映画の開演時刻がわかったり、富山発の旅行情報やパチンコ屋さんの新台入れ替え情報それに中古車情報なども画面で検索ができます。実際車を買うとなると、目で見て、さわって、乗ってみてということも必要になってきます。地域のポータルサイトだからこそ購買に結びつくという強みもあるのです。

●1ヵ月5000円の掲載料、パソコンがなくても始めらます。

生活者はどこでも情報を引き出せ、契約者は気軽に出店できる、それが「i-Toyama.com」です。電話とファックスさえあれば、パソコンがなくても1ヵ月5,000円の掲載料で参加できます。毎日更新していただいてもok、新しいスポンサー情報は歓迎です。午前中に原稿がいただければ午後にはサイトに掲載されます。中古車情報のページでは月額3万円をいただいて50台まで登録していただいています。売れたら何台でも入れ替えができます。

また、1日当たり4〜5万アクセスあるということで、バナー掲載はトップバナーで1ビュー単価5円、カテゴリーバナーは月額2万円となっています。なおリンク集にはあえてせず、「i-Toyama.com」内の情報はすぐに検索できるようになっています。ただし、自社で立派なホームページをお持ちの出店社様向けには、基本ページの先にリンクを張っています。

●基盤を生かした今後の企画展開
  • 会員募集
    5月からは目的に応じた会員を募集しようと思っています。ファッション情報、ブライダルの情報、パチンコの新台入れ替え情報など、それぞれの目的に応じたじた会員を募集し、カテゴリー別で、パーミッションされたメール配信を行おうと考えています。物々交換のサイトや女性専用のサイトもありです。出店社の方には、個人の名前こそお教えできませんが、ターゲットの消費者に非常に安い単価でDMを送ることが可能になり、優良顧客獲得をサポートできます。

  • テレビ(マス)+インターネット(パーソナル)
    今「中古車を探すならi-Toyama.comで」とテレビで告知をしています。「i-Toyama.com」という名称はかなり浸透したということもあって、今後はカテゴリーごとにクローズアップして、テレビを駆使して進めていきます。強力なプラットホームは、まず見に来ていただけることから始まります。「i-Toyama.com」の携帯端末での使い方、楽しみ方を60秒の小さなテレビ番組などにして、わかりやすく説明することも私たちの役割です。「サイバービンゴ」という遊びも考えていまして、毎日1個ずつ数字をネットで発表し、ビンゴになった方からメールしていただけば、好きな商品がもらえるというものです。「参加者募集中」という告知をテレビで流し、「i-Toyama.com」に誘導する。
    マスとパーソナルが連動することでストーリー性のある広報展開が可能になり、他のサイトではあり得ない武器がここにあります。

  • ECではなく仲介サービス
    私たちは「i-Toyama.com」でeショッピングをやろうとは考えていません。情報は情報端末で、買い物は現場でという仲介サービスの場所でありたいと思っています。その一つとしてゴルフ場、温泉、宿泊施設、旅館、将来的には病院などでも空き情報、予約情報を掲載していきたいと考えています。飲食店向けには「20人、一人3500円で仕切れるお店はないかな〜」と幹事さんからアクセスがあれば、ぴったりのお店を紹介していくというサービスも提供していきます。

  • 県内、県外のサイトとリンクするアフィリエイトプログラム
    「i-Toyama.com」にはない分野の情報を持つ県内のサイトとリンクを張り、情報交換を積極的に進める一方、他県の地域ポータルサイトとも相互リンクを張っていきます。 iモードからのアクセスは県内からが4割で、残り6割は県外からという予想外の現状も認識しておきたい点です。
●企画展開の具体例

県内のある大型のショッピングセンターのネーミング募集にあたって、当社ではテレビのスポットと同時に「i-Toyama.com」を提案しています。「採用の方には商品券10万円プレゼント」というバナー広告を張れば、パソコンや携帯電話から相当の応募があると予測されます。バナーをクリックすれば「この秋北陸最大級のショッピングセンターがオープン。ネーミング大募集!」とあって、「応募」をクリックすれば、もはやハガキに書く手間はいりません。パソコン、携帯電話から簡単に多数の応募が得られ、集計も簡単で、整然としたネーミング案をお客様に一目でお見せすることができるのです。

また、ある化粧品会社向けにも女性へのパーミションマーケティングとして「i-Toyama.com」を提案しています。テレビCMで商品を認知させたところに、「i-Toyama.com」の女性専用コミュニティサイトで接触、商品を使っていただいくというもの。商品のファンを獲得し、将来的にはは販売員さんも集めてしまおうという企画です。このサイトにはほかに育児、お仕事、料理、ファッションなどのカテゴリー別のバナーを入れることを考えています。

(参考)
※県内のインターネットユーザーは約14万人、全国では1700万人〜2000万人。iモードは北陸3県で約16万人、ドコモユーザーの4人に1人と言われています。また北陸では昨年の12月、携帯電話と固定電話の比率が逆転しています。

※「i-Toyama.com」へのアクセスが集中する時間帯は、パソコンも携帯電話も同じグラフで推移します。 1月〜3月のアクセスをログで解析した結果、1位/23〜24時、2位/11時〜13時、あとは夕方から徐々に増加し23時にピークを迎えます。
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