例会・研究会ダイジェスト 【講演】
「会計事務所が薦めるIT経営、E=CALL」http://www.ecall.co.jp/
〜E=CALLから生まれた協業化ネット「リフォームネットとやま」そのビジネスモデルと戦略〜
ガラステック 代表取締役 石黒正悟氏(リフォームネットとやま広報委員長)
マスタック コーディネーター 幾島光子氏(E=CALL富山事務局)

Part2 石黒正悟氏(リフォームネットとやま広報委員長)

なぜ、リフォームネットとやまを始めたか

 私の会社は、ガラステックと言いまして名前のとおりガラス屋をいたしておりますが、昨年度は年商4億、しかし受注売りは実に少なくて「何とかしなくてはいけない」と思ったわけです。建築業界では、1995年の新築着工数は160万戸でしたが、2000年には100万戸、2010年には80万戸、2030年には60万戸にまで落ちるという厳しい予想があります。今年100万戸で、10年後には80万戸となると2割減ですがこれは大手の話でして、下請けの中小企業では4割減になるとまで言われています。ここまでくると倒産です。そこで何とか前向きな展開をしたいということで、お付き合いのある正栄産業の社長から薦められて、インターネットの世界に入り、E=CALLの会員となって「リフォームネットとやま」の立ち上げに協力させていただきました。

 ところで新築は伸び悩んだとしても、リフォームの需要は伸びていくはずだと考えています。2010年には富山県のリフォーム業界が100億円を超えると聞いていますので、これを協業化ネットで何とかモノにしたいと考えたのです。

 さてインターネットを始める前は、メールより会話のほうが温かくていいものだと信じていたのですが、実際にメールのやりとりを始めますと、本音で語れる部分が多く、電話では忘れる部分も、文章で残しておくことができて便利なのです。温かい本音で語り合えるネットビジネスでありたいと考えています。私達はリフォーム業界の中小ですが、提案力では大手に負けない自信があります。例えば住む人の成長や老化を考えて「高さ」を提案していくという姿勢も、長いお付き合いをする地元の中小の業者だからできるきめの細かな姿勢です。お客様との温かいコンタクトをインターネット上で実現したいと思っています。なお、「リフォームネットとやま」は案件が発生した地域の業者がお客様を担当するシステムです。注文や問い合わせをインターネットで受け、簡単なやりとりをネット上で行ったあと、近くの会員業者が現地を訪問するシステムです。お客様のデータは「リフォームネットとやま」の事務局で一括管理しています。

「住まわれている」リフォームではいけない

 4月に「リフォームネットとやま」を立ち上げました。それでは焦点をしぼってアクションを起こしていこう、とまず低コストをテーマに、今月の目玉商品を掲載することにしました。通常価格88万円のユニットバスを35万円でと、ホームページに載せています。

 これを見られてお客様が、「うちは築30年だが、組立て工事費も含めて35万円でできるのか」というご質問をメールでいただければ、「工事費込みの価格ですが、年数がたっているので補強に別途費用がかかるかもしれません」とやりとりをしていきたいのです。近いうちに目玉商品を4つにして、45社すべてのホームページを制作し、リンクしていきたいと思っています。

 現在のリフォームの現状をみていると、お客様に優しくないというのが実感でして、「住んでいる」のではなくて、「住まわれている」ように見えます。これではいけないと思います。品質の悪いものを安くというのでは意味がないのです。安売りをして、手抜きが発生しては仕方がない。「リフォームネットとやま」は業者が横並びであるが故に、手抜きはできないし、正当な金額をいただく中でメンテナンスを親切にさせていただき、ずっと長いお付き合いを目指していきたいと思っています。会員業者が一致団結して、皆で勝ち組に残っていきたいと思っています。

今後の展開

 今後の展開として「リフォームネットとやま」は売ってしまって終わりではなく、お客様と長いお付き合いをしていきたいと考えています。お風呂を直して満足してもらったら、次は脱衣所の改築、子供部屋の増築、そして新築までの30年、40年にわたるお付き合い、家族の成長とともに関係をつくっていきたいと思っています。このような「リフォームネットとやま」にしたいと思っています。

 「リフォームネットとやま」の完成度はまだ50%ですが、今後は新聞紙上にも広告を売って、冬には完成度を80%まで引き上げて、一月あたり1万人に見ていただけることを目標にしています。

 なお、国は新築には10年保証を義務づけていますが、リフォームには保証期間が設定されていません。しかし「リフォームネットとやま」では自主的に3年保証を徹底していく姿勢です。

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