「A.I」

監督:スティーブン・スピルバーグ
スタンンリー・キューブリックが長年温めていた企画をスピルバーグが受け継ぎ、完成された作品です。地球温暖化の影響で両極の氷が溶け出し多くの大都市が海に沈み、飢餓も起こっている社会。人口を押さえる為に許可が無かったら子供を持つ事が出来ない。そういう社会の中でせっかくの子供を失いかけている夫婦が、新型の子供型ロボット“デビット”を手に入れ打ち解ける事が出来た。しかし、本当の子供が奇跡的に夫婦の元に帰ってくると今度はロボットが邪魔になってくる。トラブルの原因が人間の方なのにロボットは捨てられる。ピノキオの話を信じ、本当の人間になる為に妖精を探し求め、途中ジゴロのジョーと出会いながら、妖精に巡り会う事が出来ます。(妖精といっても遊園地の人形なんですが。)2000年の月日が流れ、人類は絶滅し、ロボットの進化型の手助けでデビットの「母親に愛される」という夢が実現します。
人を愛すというプログラムを持つロボットに、人間は愛を返せるか。ロボッの人格を認める事ができるか。
人間というのは身勝手で残酷で滅んでも仕方の無い存在なのかもしれません。翻ってロボットの進化型は生命体といえるのか?何をもって生命というのか。知性でいえば人間なんかお呼びもしない程のロボットだが、生命体かといえば違うような気もする。しかしDNAというプログラムを後世に伝えている人間だって宇宙という視点で見れば大して変わらない存在ともいえるし。



「永遠と1日」

年老いた詩人とアルバニアの難民の子供をかかわりあいを中心に詩人の人生を見つめなおす1日を描いた作品だと思いました。いつも自分の居所がないと感じている詩人と、身寄りもなく帰る家もない少年。詩人の死に別れた妻がフラッシュバックの様に出てきますが、妻の死が詩人の心に穴を空けていたと感じました。「明日の時間の長さは?」と聞く詩人に妻は「永遠と1日」と答えます。もう一回見たい作品です。というか何回か見なければ理解度が深まらない気がします。



「永遠のマリア・カラス」

声が出なくなり第一線から遠ざかっていたマリア・カラスを、今の姿に絶頂期の歌声を被せるという方法で復活させようとプロデューサーが駆けずり回る。カラスも最初は納得していたけど、やはりそういうのはフェイクというかまやかしであって、最終的には発表しないようプロデューサーに頼みます。観客にも、そして本人をも騙すような事はアーティストとしても人間としても我慢出来なかったんでしょう。アーティストとして死ぬも生きるもアーティストの自由っていう台詞がありましたが、その通りだと思います。いくら周りが盛り上がろうと最後に傷がつくのは本人ですから。
しかし、マリア・カラスの歌は胸を打ちます。これぞディーバって感じです。近頃はディーバという言葉が氾濫し安売りしてますが、やめて欲しいものです。
(2003/11/20)



「エイリアン4」

監督:J・P・ジュネ
出演:シガニー・ウィーパー
   ウィノナ・ライダー
予想以上に面白い作品でした。ニフティーの洋画フォーラムでは賛否両論で外すんじゃないかとちょっと心配でしたが、その必要はありませんでした。人の感覚は本当に十人十色ですね。
とにかく「3」より楽しめました。J・P・ジュネ監督は以前「デリカテッセン」という映画を創っていますが、この映画と雰囲気は共通していました。特にグロテスクなところが特徴ですね。この人はフランス人ですが、その事が成功しているんじゃないかと思いました。アメリカ人の感覚とは違いますね。これからどんどんいろんな国の人が進出してくれればと思います。リプリー(シガニー・ウィーパー)もクローンという事もあって「3」までとは人格がちょっと変り、エイリアンに対して余裕というか理解している感じです。まぁ、今回はエイリアンの母体だから当たり前かもしれませんが。またウィノナ・ライダーの存在もとても大事で一種の清涼剤みたいな感じです。でもこの人いい女優ですね。今度エイリアンシリーズ観なおそうかな



「エヴォルーション」

出演:デヴィッド・デュカブニー、ジュリアン・ムーアなど
なかなか面白かった作品だけど、もうちょっと短いともっとよかったかな。最初のスピード感が途中で鈍ってしまったのが惜しかったですね。90分ぐらいで納まっていたら中だるみが無くなっていたと思います。映画的には現代のゴーストバスターズって感じです。今回の相手は幽霊ではなくエイリアンですが。そのエイリアンがあまり恐くなくちょっと可愛いのがいいです。



「エキソシスト ディレクターズカット版」

ホラー映画の名作を監督自らが編集しなおし、現代に蘇りました。まぁ、ホラーといっても今となってはそんなに恐くなく、むしろ人間ドラマの様に思えました。昔TVで観た時はただ単に映像で怖がっていただけですが、今見ると若い方の神父の心の葛藤と、悪魔のとり憑かれる子とその子の母親の想い、親子に対する医師へのもどかしさが感じられました。今のホラー映画と違って趣があります。



「X-MEN 2」

それほど期待してはいませんでしたが、結構面白い作品でした。登場キャラがちょっと多くて、焦点がボケ気味でしたが、今回から登場したキャラもいいし、前回からのミスティークも良かったと思います。残念なのはウルヴァリンがちょっと中途半端で活躍するでも無し、自分の過去を探すのもいまいち盛り上がらないので存在感があまり感じられませんでした。
(2003/5/16)



「es」

結構胸くその悪い作品でした。極限状態の人間がこんなにも暴走するるのかとゾッとしました。しかも舞台はドイツなので嫌が上にもナチスを連想してしまいます。まぁ、基本的には元々の人間性が極端に出てくるんでしょうが、程度の差はあると思うけど、ある種絶対的な権限を与えられ、自分の管理下に人を置ければああなるのかもしれません。被験者が暴走するだけならまだしも、事件の責任者までが冷静さを失い、判断を間違っていてはいけないでしょう。初めての実験という事で功名心が事の重大さを見誤らせてしまったんでしょうね。極限状態の人間がどのような行動するかなんて事は今までの歴史がハッキリと示していると思うんですが、これが本当にあった話っていうからビックリですね。映画的には主人公が実験前に出会った女性との回想シーンはいらないように思いました。



「エリザベス」

タイトルから分かるとおりイギリスのエリザベス一世の話です。中世の残酷さが良く出ていたと思います。エリザベスが即位する前から国政が安定するまでの時期を描いてますが、なる程、陰謀と策略が渦巻く中でエリザベスがいかにかわっていくかが面白いです。最初の頃の目と英国と結婚したと宣言した最後のシーンの目の違いが印象的です。終わり頃に長かった髪の毛をバッサリと短くした時に女としての幸せを捨てたんでしょうね。本当に最後の白く塗った顔のアップが凄く残りました。



「L.Aコンフィデンシャル」

久々に中身のあるハリウッド映画って感じでした。時代背景は50年代で映画自体の雰囲気は70年代の感じがありました。三人の刑事が主人公でそれぞれが違うアプローチの仕方で犯人を追って行きます。人によって誰を応援するか、違ってくるでしょうね。自分の場合はバドといういわば熱血派を応援していて、クールで出世欲の強い エドという刑事が嫌いでした。しかし、エドも「なぜ刑事になったか」を思い出して出世を捨ててから好きにありましたね。まぁ、最後に上手く出世するのには「なかなかしたたかな奴だ」って思いましたが。で、バドの方はリンという娼婦と出会い最後は刑事をやめ、L.Aから出て行きます。自分はバドの生き方の方が好きですね。ジャックという主人公の一人は途中で死んでしまい、どちらかといえば準主役という感じでした。ここらへんはハッピーエンドで終わるハリウッド映画にしては珍しいですね。この映画はバドとエドという2人の生き方を見る作品だと思います。



「L.S.D」

出演:ベアトリス・ダル
出演しているベアトリス・ダルが目当てで見ました。「天使の見た夢」に出ていた女優が主演みたいです。作品的には大した事のない物でした。久し振りに見たベアトリス・ダルは役柄の為かやつれて見えてちょっとがっかりでした。やっぱりベアトリス・ダルは豊満で太陽の下が似合います。



「エニイ・ギブン・サンディー」

監督:オリバー・ストーン
出演:アル・パチーノ、キャメロン・ディアスなど
アメフトが舞台のスポコン作品です。なんというか熱い雰囲気が漂ってました。連敗中の上、中心選手が試合中に怪我をして監督のアル・パチーノは窮地に立たされます。で、無名の新人選手を起用しますが、いまいち上手くいきません。試合には勝つんですが、自己中心的でチームワークなんて気にしてません。そんな事ではメンバーもついていかず、手痛い負けを経験します。この事や監督のアドバイス、怪我から回復したベテラン選手の闘い方を見て成長していきます。監督との信頼関係もよくなり、最後のシーンにつながっていきます。アル・パチーノやキャメロン・ディアスをはじめ出演している俳優の演技もいいし、ストーリーも悪くありませんでしたが、監督が問題かも知れません。まぁ、悪い出来では決してなかったと思いますが、違う監督だったらもっといい作品になったような気がします。



「M・I-2」

監督:ジョン・ウー
出演:トム・クルーズなど
まぁ、こんなもんかなといった作品でした。前半がちょっとかったるくて退屈な感じがしました。後半はジョン・ウー監督の個性が出たアクションシーンが続いてそれなりに面白かったです。ただ、トム・クルーズのアクションがちょっと甘く感じました。これがカンフースターのリー・リンチェイだったらもっと切れ味鋭いアクションが楽しめたかな。まぁ、スタント無しでアクションに挑戦したトム・クルーズはたいした者ですが。この作品はストーリーなんて関係ないでしょう。こういったらなんですが、1時間過ぎたところから観ても問題ないでしょう。



「MIB2」

出演:ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーンズなど
まぁ、平均点は確保していると思います。それなりって感じです。以外と淡々と進んで、ちょっと盛り上がりに欠けていると思いました。この映画って本来B級のノリの映画だと思いますが、スタンスが中途半端で弾け方が不足していると感じました。あと、悪役が弱すぎます。あんな簡単にやられたらダメだと思う。



「エンド・オブ・デイズ」

出演:アーノルド・シュワルツネッガー
シュワちゃん久しぶりの作品です。2000年に悪魔が蘇り、選ばれた女性に懐妊させれば人間が滅び、悪魔が世界を征服してしまう。それをシュワちゃんが阻止するストーリーです。思ったよりは面白かったですが、もうちょっと時間が短かった方がよかったかも知れません。特に後半部分が間延びしてたと思います。前半はそれなりによかったと思いますが。それと病み上がりだったせいか、ちょっとシュワちゃんが元気がなかったように思えました。



「エントラップメント」

出演:ショーン・コネリー、キャスリン・ゼダ=ジョーンズ
キャスリン・ゼダ=ジョーンズのボディーラインが最大の見物です。ショーン“腕利きの泥棒”コネリーとキャスリン“美人の保険屋”ゼダ=ジョーンズが組んで宝石や銀行のお金を盗むストーリーですが、そこに罠や仕掛けがあり、それがストーリーのポイントですがもっとシンプルの方が良かったように思います。それから主役二人のラブストーリーも絡みますがこれもなかった方が良かったかなと思いました。それなりに楽しめた作品だと思います。