例会・研究会ダイジェスト 【講演】
「儲けるオンラインショップの運営方法」
〜オンラインショップの経営ノウハウとそのアイデアを探る〜
ストーンズ 石灘隆一(http://www.stones.co.jp

企業トップに訴えたいネットビジネスの秘訣
■会社案内なのか物販(EC)なのか、目的を明確に!

 インターネットでTシャツの販売を目的に「ストーンズ」を1998年9月にプレオープン、本格的には11月から営業を開始いたしました。本日は企業トップ・管理者の方が多いようですので、企業トップのECへの取り組みについて触れてみたいと思います。

 インターネット上にWebサイトを開設されるときに、企業はまず会社案内を作り、その片隅で自社製品を販売しようとされることが多いですが、それでは売れません。
Webサイトの目的が「会社案内」であるのか「物販つまりEC」であるのかの目的を明確にしなければなりません。
ECを目的としたものであるなら、お客様に情報の伝達を目的としない自己満足的、趣味的なページづくりでは、サイトの性格を不明朗にするだけで誰も見てくれません。

 「何を売りたいのか」「何を伝えたいのか」という目的を明確に打ちだし、ECの基本となる製品や商品の特徴、他社製品との違いなどを訴え、こだわりを伝えるものでなければ成功はおぼつかないでしょう。会社案内は、その製品、サービスの保証として会社概要、業績がある程度でよいと思います。
取引先、お客様は、一度見るだけで把握できる会社案内を知りたいのではなく、目的である製品、新しい情報が欲しくてサイトにやってくるのである。

 企業トップは、インターネットの特性、利用法を理解しやすくなるために、メールの送受信程度はできなくてはいけません。インターネットを概念で把握していても体験で納得しなければ、推進の妨げになります。

 Webサイトは、可能な限り自社制作が望ましいでしょう。
価格や記述などに誤りを発見した場合に、どんな時間帯であっても即時対応できます。外部に頼んでいるとそのようなわけにもいきません。
会社の製品、商品を一番よく知り、こだわり、愛着を持っているのは社員であり、その社員がWebサイトの制作、管理をすればお客様への訴求力が高まるのは必然のなりゆきです。人材がいない場合には、その分野に精通した人物を自社で育てることが大切です。外注先のページ制作会社は、高度な技術者であっても、ECビジネスのプロではないわけで、新技術は盛り込まれても、それがお客様にとって利便性のないWebサイトを納品してくる場合が多々あります。
いろいろな技術が、あなたの会社のeビジネスにとって、お客様にとって必要かどうかを見極める目を持った人間を育てることが必要です。

■初期投資は最小限に、リターンは早急に求めるな

 万全のシステムで、初期投資に費用をかけ、オンラインショップを立ち上げるということは避けるべきです。ランニングコストや損益分岐点が高くなります。インターネットは最初の1年はリターンが求められないものです。利益がでてくるのは早くて2年です。お客様の意に沿いながらシステムアップしていく。それが正攻法です。

 またネットビジネスは、企業の一部門で行うのではなく、給与体系も含めて独立、分社化した展開が望ましいと私は考えています。インターネットという新しい領域には今までの組織では対抗できませんし、ネットビジネスに精通している人材は平均的な給与で雇うことはできないものです。出来高制が似合うビジネスなのです。

 企業のトップには少なくともメールの送受信はしていただきたいのですが、「そう言われても、インターネットはわからない」というトップの方は、資金だけを回す俗に言う「エンジェル」になっていただきたい。ECで何をしたいか、ホームページでユーザーに何を訴えたいかを担当者に詳しく説明し、法的な整備も含めプレイしやすい環境を作る立場に徹してほしいのです。3年たってもペイしない場合には、ネット以外でビジネス・アプローチを考えるべきでしょう。

ネットビジネスの現状
■ショップの世界に大資本が参入開始

 今ネットビジネスで先行しているのは、私ども含め、京都の岸本さん、大阪のナチュラルさん、心斎橋かさ屋のみや竹さんなど、個人商店が目立っています。インターネットビジネスには、店舗の建設や内装に費用負担が必要なく、商品とパソコンだけで始められます。「何が売れるのだろうか」ではなくて、「自信を持った商品があるから」販売するのです。これまではすばらしい商品と熱意があって、やり方が正しければ、個人商店はネットビジネスで成功をおさめてきました。

 ところが、今になっては「ショップでは小資本が成功する」というジンクスは幻になりつつあります。大企業が、ネットの有効性、訴求力を理解したうえで、ネットビジネスを販売ツールの一手段として本格的に取り組んできたからです。通信速度も、ケーブルテレビなどで常時接続が一般化していきますと、これからは24時間対応する販売用のサイトが必要になってきます。テキストだけでチャットするだけでなく、ビデオ、カメラを設置して「こんな商品がないですか?」という問い合わせに「これでいかがですか」とカメラの前で見せられるのです。実験中ですが、生地の風合いもバーチャルでお伝えすることができるようになります。最近、イスラエルでは匂いがデジタル化されたということです。こうしたシステムへの取り組みは、大資本でないとできない状況になっています。また大企業にはリアルな世界ですでに知名度がある、という大きな強みがあります。

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